リフォームと建て替えの費用や工期などの違いについて

中古住宅を購入してリフォームを検討される方は少なくありません。一口にリフォーム工事といっても「部分リフォーム」や「全面リフォーム」、さらには「建て替え」まで幅広い選択肢があるでしょう。リフォームと建て替えでは費用や工期でどのような違いがあるのか、リフォームした方が良い住宅、建て替えに向いている住宅についてご説明いたします。

 

リフォームと建て替えの違いは?

リフォームと建て替えの違い

リフォームとは、部分的な修繕や改築を行うことです。外壁や屋根、水回りなどで傷みが目立つ部分の改修や交換、家族の生活に合わせた設備の更新や最新化などを必要に応じて部分的に行うリフォームと、基礎や骨組みのみ残して、すべてを新しく作り変える全面リフォームがあります。部分リフォームは工期も短く、仮住まいが不要なこともありますが、全面リフォームは仮住まいが必要な場合もあります。

建て替えとは、現在の住宅を全て解体して、基礎を含めて新しく建て直すことです。すべてを一から作るので、家族のニーズに合わせた間取りや設備を設けることが可能です。耐震基準も現在の基準に合ったものです。ただし、仮住まいが必要で、工期もリフォームに比べると長くなります。

リフォームと建て替えの自由度の違い全面リフォームの場合、設備機能などは建て替えて新築した場合に近い状態まで更新することができますが、基礎や構造上必要な柱や梁を撤去したり、動かしたりするには専門家による詳細な調査の上で行わなければなりませんし、結果的に動かすことができない場合も多いです。そのため、間取りの変更やドアや窓の取り付けの位置に制限をうける場合があります。

その点、建て替えであれば一から新築をするので、柱や梁の位置、間取りやドアや窓の位置も設備も自由に決めることができます。耐震性や断熱性など建物性能も時代に最新基準にあわせて設計、建築することができます。

リフォームと建て替えの工期完了までの違いリフォームと建て替えでは、工期に大きな違いがあります。一般的な部分リフォームの場合、工期は数週間から1ヶ月程度です。設備の取り替え程度であれば数週間で終えることが可能な場合もあります。

建て替えの場合は、まずは解体作業が必要になります。解体作業に1週間から10日見ておく必要があります。更地にした後に建設作業が始まります。住宅の建設に、約4〜6ヶ月かかります。工期は、住宅の構造や面積、仕様などによって違います。

リフォームと建て替えの違い

リフォームに向いている家は?

中古住宅の中にはリフォームに向いている住宅があります。例えば1981年以降の新耐震設計基準を満たしている家は基本的な主要構造が耐震基準に適合しています。ですから耐震性能を向上させるのに必要な費用などが、そうでない場合に比べればかからない家です。また、過去のリフォームの状況も重要です。新しく補強されている、直されている部分が多い家は、次のリフォームでもそれを利用することができますので、コストを抑えられます。

また、法律上の制限によって、建て替えたくても建て替えることができない住宅もあります(再建築不可物件と言われます)。仮に場所は気に入っているので、再建築不可物件でもなんとか購入したいという場合には、リフォームを選択するしかありません。また、建築当時と法律上の制限が変わったことで既存の建物よりも小さい家屋しか建てられない場合もあります。このような場合にもリフォームで大きさを維持しながら現代の暮らしにあった家にすることは有効な選択です。

建て替えに向いている家は?

引っ越しまでに期間があり、現在の住まいにしばらく住める方や仮住まい先が容易に見つかり、ゆっくり滞在できるなどご家族の都合がつく場合は、建て替えも考えることができます。 1981年以前の旧耐震基準の建築で老朽化が激しい家、シロアリやカビで腐食がひどくリフォームでは対応できない場合は、建て替えの検討を優先すべきでしょう。耐震基準、断熱基準も最新のものに適合できますから安全、安心な暮らしにつながります。

リフォームと建て替えのどちらが良いかは難しい問題です。どちらにもメリットとデメリットがあります。最近では、リノベーションと呼ばれる中古住宅や中古マンションを新築当時にはなかった、新しい暮らしに対応した機能や空間に生まれ変わらせる手法も広がっています。リフォーム技術も向上しており、古い木材や建具を残して、あえてリフォームして住むという選択肢も出てきました。家族がどのような生活をしたいかイメージしながら、リフォームか建て替えかを考えてみてはいかがでしょうか。